青と白の夢、チュニスで過ごす一日──古代と今が出会う旅へ

■チュニス市内観光
https://tabi-choku.com/plan/detail/545/
地中海の陽光が優しく包み込むチュニジアの首都、チュニス。
北アフリカに位置しながら、ヨーロッパとアラブ、
そして古代フェニキアやローマの文化が交差するこの街には、
どこか懐かしく、それでいて新しい空気が流れています。
チュニスは、単なる首都ではありません。
カルタゴ遺跡群と旧市街メディナがともにユネスコ世界遺産に登録されているように、
歴史の重なりそのものが都市の骨格となっています。
遥か紀元前から続く物語が、石畳の小道や海を見下ろす遺跡の中に息づいているのです。
世界遺産に選ばれた理由
チュニスの魅力は、歴史と文化の豊かさにあります。
かつて地中海交易の中心地として栄えたカルタゴは、フェニキア人によって築かれ、
ローマと壮絶な戦争を経て滅びたものの、その遺構は今も力強く存在感を放ちます。
ビュルサの丘からは遠く地中海を望むことができ、
歴史に想いを馳せるには十分すぎるほどの舞台です。
また、メディナ(旧市街)は、迷路のように入り組んだ路地と、
スークと呼ばれる市場が広がり、アラブ・イスラム世界の都市構造を今に伝えています。
中世の建物やモスクが今も生活の場として息づいていることから、
文化的にも歴史的にも高い価値があると評価されています。
シディ・ブ・サイド──青と白の調べ、聖者の名を受け継ぐ街
このチュニスの旅で、特に心を奪われるのが、シディ・ブ・サイドの街並みです。
その名前は、13世紀にこの地で暮らし、敬虔な生涯を送った
イスラム神秘主義の聖者・アブー・サイード・エル・ベジ(Sidi Bou Said el Beji)に由来しています。
彼の死後、この丘の上の村は「サイードの聖なる場所(シディ・ブ・サイド)」と呼ばれるようになり、
長く人々の祈りと敬意を集めてきました。今も街には彼の霊廟が残され、地元の人々の信仰の対象となっています。
真っ白な壁と鮮やかなチュニジアン・ブルーの扉や窓枠が織りなす風景は、まるで絵画のよう。
これは20世紀初頭に、フランス人画家ロドルフ・ドルランがこの街の美しさを守るために、
建物の色を青と白に統一するよう提案したことから始まりました。
以降、シディ・ブ・サイドは独特の景観を保ち、「地中海で最も美しい村」とも称されています。
小高い丘の上に築かれたこの街からは、ターコイズブルーの地中海が一望でき、
時間を忘れてしまうほどの美しさに包まれます。
通りにはブーゲンビリアの花があふれ、小さなギャラリーやカフェが点在。
ゆるやかな坂道を歩くだけで、どこか異国でありながらも懐かしい気持ちになるから不思議です。
甘いミントティーとともに、この景色を心に刻む時間は、旅の中でも特別なひとときになることでしょう。
安心して楽しめる街歩き
チュニスの街は、穏やかな雰囲気が漂い、治安も比較的安定しています。
近年では観光インフラの整備も進み、専用車とガイドのサポートがあれば、
初めてのチュニジアでも安心して観光を楽しむことができます。
地元の人々はとてもフレンドリーで、日本人観光客にも好意的。市場では元気な声が飛び交い、
博物館では静かな時間が流れる
――そんなコントラストの中で、旅人は自分のペースでチュニスを感じることができます。
チュニスの街歩きは、過去と現在、異文化と自分自身をつなぐ小さな冒険。
迷ったときは、青い扉の向こうに広がる風景を信じて、一歩を踏み出してみてください。
そこには、あなたの知らなかった世界が、やさしく待っています。
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