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異国情緒漂う世界遺産の街

2023年07月11日 16時45分
1819
スリランカ
異国情緒漂う世界遺産の街

海に小さく突き出た半島。

半島を縁取るように城塞がぐるりと取り囲み、その中に街が形成されています。この街の最大幅は東西で約600メートル、南北で約700メートルと、徒歩で回れる面積です。

下記写真手前からは大砲などによる攻撃の死角がないように作られた稜堡が見て取れます。2つの稜堡の間に、城塞内に入るメインゲート(イギリス門)があります。街への入り口はこのゲートを含む2か所しかありません。

画像元:Galle Heritage Foundation

上記写真の中央に見えるメインゲート(イギリス門)の正面(下記写真)

メインゲート

もう一か所のオールドゲートまたはオランダ門と呼ばれるゲートの外側には、イギリス国王(グレートブリテン及びアイルランド連合王国国王)ジョージ3世の時代に作られたイギリスの国章が刻まれたプレートが掲げられています。プレートの下には、オランダで創設された世界最初の株式会社で、東洋貿易を独占していたオランダ東インド会社(VOC)の紋章が見えます(下記写真左)。ゲートの内側には、花崗岩に彫られたオランダ東インド会社(VOC)の紋章が取り付けられています。VOC紋章の上には、オランダ統治時代の戒律のシンボルであった岩の上に立つ雄鶏が描かれています(下記写真右)。

オールドゲートの紋章

城塞内の街は,16世紀から19世紀それぞれの年代に建設されたコロニアルな建物が立ち並びます(下記写真)。これらの歴史的建物の多くは、取り壊されることなく、改築や改装を経て学校や博物館、銀行、ホテルやレストラン、ショップとなっています。

歴史的建造物が並ぶ街

小さな街ながら、教会ならびにモスク仏教寺院が混在し、この街の多様性を示しています(下記写真)。

宗教施設が混在

きて、ここがどこであるかまだご紹介していませんでした。ここまで読み進めて、実際に訪れたことがある方以外で、ここがどこであるか見当がつきましたでしょうか。

この街は、スリランカ(Sri Lanka)の南部に位置するゴール旧市街(Galle Old Town)です。

要塞とその城壁内に形成された街は、『ゴール旧市街とその要塞群(Old Town of Galle and its Fortifications)』として1988年にユネスコ世界遺産に認定されています。

 

【ゴール旧市街の変遷】

14世紀にアラブ人の貿易地として発展していたこの港町。15世紀には明の時代に大航海を行った鄭和の船団も2度ゴールを訪れています。
16世紀にはいるとポルトガル人の探検家と商人が入植し、ゴールを支配下に置きました。入植から80年後にはゴールに城塞(ゴールフォート)を築きました。17世紀にゴールの港とゴールフォートがオランダの支配下に入ると、防衛を強固にするためにゴールフォートを完全に包囲し、珊瑚や花崗岩でできた14の稜堡(Bastion)と要塞を築きました。1660年代にかけてゴールフォート内を碁盤の目状に整備し、現在の街の原型を作りました。
18世紀末にはイギリスの支配下となり、住居や灯台の建設など多くの建築ならびに改築が行われました。第二次世界大戦中には、さらに多くの要塞が建設されました。
下記2枚の絵(ポルトガル領時代とオランダ領時代のゴールフォートを外側からみた様子)と3枚目の現在の写真を比較すると、16世紀に造られたものが現在も残っているのがよくわかります。❷のサン要塞(Sun Bastion)と❸のムーン要塞(Moon Bastion)の間に現在あるメインゲート(イギリス門)は、ゴールフォート内外への交通を容易にするために、イギリス統治時代の1873年に建設された門です。
ポルトガル&オランダ領時代
現在
このようにゴール旧市街は各国の統治の歴史をたどり、「ヨーロッパ建築と南アジアの伝統が融合した要塞都市」として現在もその面影を残しており、ユニークかつ散策が楽しい街となっています。
 

■プラン紹介

【日帰りプラン】

【世界遺産】ゴール旧市街とその要塞群巡り(TC0071-418)

海に最も近い紅茶農園と世界遺産ゴール旧市街巡り(TC0071-435)

 

【1泊2日プラン】

【バワ×世界遺産❷】ジェットウィングライトハウスと世界遺産ゴール1泊2日間(TC0071-705)

【バワ×世界遺産❷スペシャル】バワホテルと世界遺産ゴール(アマンホテルでアフタヌーンティーとインド洋の夕焼けプラン)1泊2日間(TC0071-706)

ゴール旧市街の入り口にある案内地図(写真下)。建築年代が分かるものは建築年代、ポルトガル、オランダ領時代やイギリス統治時代は何に使われていた建物だったかも書かれています。

ゴール旧市街内マップ
17世紀にオランダ人によって建てられたで、塩、胡椒など船積みに必要な商品を保管する倉庫としても使われていたオールドゲート(オランダ門)は、イギリス統治時代には裁判所土地登記所として利用され、現在はその一部が海洋考古学博物館海洋博物館となっています(下記写真)。
ゲート
城壁の上は通行が可能なため、インド洋や城塞内外の街並みを眺めながら散策することも可能です。
城壁
ゴールのシンボルでスリランカ最古の灯台と、砲台
ゴールフォート内には、歴史的建造物を利用したラグジュアリーホテルも多くあり、ゴールフォート内に宿泊するのも旅の楽しみの一つとなっています(ゲストハウスも多くあります)。
その代表格が、「世界のアマン」とラグジュアリーホテルの代名詞ともいわれるアマンリゾーツ。スリランカには2つのアマンリゾーツがありますが、そのうちの一つがゴールフォート内にあるアマンガッラ(Amangalla)。もとは、1694年にオランダ総督とそのスタッフの宿舎として建てられたこの建物は、英国軍の宿舎を経て、1865年に「ニューオリエントホテル」としてオープンし、ヨーロッパとゴール港を行き来するヨーロッパ人乗船客に多く利用されました。2005年にアマンリゾーツに買収され、全面改改装されて「アマンガッラ」となっています。
Amangalla
上記写真はアマンガッラ正面入り口。宿泊以外も、食事アフタヌーンティーでの立ち寄りも人気です。
Amangallaレストラン
城壁に囲まれたゴール旧市街ですが、砂浜に降りられる場所もあり、天気の良い日は地元の海水浴客でにぎわいます(下記写真)。
対岸に見える白い仏塔は、ウナワトゥナ(Unawatuna)にある日本山妙法寺の仏塔でで「ジャパニーズピースパゴダ」として知られています。

【トランジットでも観光しやすい街】

トランジットで観光する場合、一番気になるのが時間。乗り換えフライトに遅れるわけにはいきません。
※トランジットでの入国の場合もビザ(Transit ETA:ビザ代無料2日間有効)が必要です
スリランカの空の玄関口バンダラナヤケ国際空港(空港3レターコードCMB)からゴール旧市街までは車で片道約2時間
道のりにして約155キロメートル。そのうちの約145キロメートルは高速道路(E01,02,03)を利用します。そのため渋滞などによる時間のロスが起きにくく時間が読みやすいのが利点です。
道路マップ
また、ゴール旧市街の観光のメインとなるのは歴史的建造物やインド洋などの景色。博物館やショップなどの開館時間以外にも街歩きを楽しむことができますので、早朝や夕方でも時間に縛られずに訪れることができます。ホテルも多いため時間外の食事なども可能ですし、レストランなども22時や23時など遅くまでやっているところもあります。
 
17世紀のオランダ入植時代に建てられた病院で、イギリス軍による占領後は拡張を経て兵舎英国政府機関の事務所として、スリランカ独立後はゴール市庁舎として使用されてきた建物(下記写真)は、2014 年にショップやレストランが入る複合施設「ゴールダッチホスピタル(Galle Dutch Hospital)」となっており、食事や買い物が楽しめます。
ダッチホスピタル
インド洋に突き出ているゴールフォート。天気が良ければインド洋に沈む夕陽を見ることができます。
インド洋に沈む夕陽スリランカにお越しの際は、ぜひゴールにも立ち寄ってみてはいかがでしょうか。
ゴール
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